クレジットカードの世界5大ブランド「VISA」「Mastercard」「AMEX」「Diners」「JCB」のうち、日本でのVISAとMastercardを牛耳っているのが三井住友カードです。
VISAブランドだけでもクレジットカード発行ブランドの半分以上を締めており、まさにNo.1。そして三井住友カードには、三井住友カードのリボ払いサービス「マイ・ペイすリボ」に登録すると対象のクレジットカード年会費を半額、または割引や無料にするサービスを行っています。
年会費が半額というのはかなり大きなサービスで、利用しない手はありません。今回はまず三井住友カードが発行するVISAブランドのクレジットカードで、年会費を半額または割引・無料にする方法についてご説明します。
さらに三井住友カードが発行するANA/VISAカードではマイ・ペイすリボを利用してボーナスポイントを貯めることができます。ポイントはANAマイルに交換できるので、他の国際ブランドを持つANAカードの中でもマイルを貯める効率は圧倒的に高くなっています。そのオトクな方法についても解説していきたいと思います。
目次
三井住友カードのリボ払いサービス「マイ・ペイすリボ」とは?
マイ・ペイすリボとは三井住友カードのリボ払いサービスの方法です。
リボ払いとは、毎月の支払い金額を決めておき、支払い金額以上の支払いは翌月以降に回すことによって、急で大きな出費の支払いにも対応することができるサービスです。
そして翌月に回された分はリボ払い手数料という名の利息がかかります(実質年利15%)。便利な支払い方法ではありますが、支払いを繰り越していくとだんだん利息が増えていくシステムとなっています。
三井住友カードのマイ・ペイすリボはまさにこのリボ払いそのもののサービスなんですが、設定した金額以上の利用額に達しても期日までに増額申請を行い全て支払いを済ませてしまえば利息はかかりません。
また設定した金額以下の利用の場合は、1回払いと同様に利息のことは心配せずカードを利用することができます。
三井住友カードのマイ・ペイすリボに申し込むメリットは?
毎月定額支払制度としてのマイ・ペイすリボは便利ですが、利息がかかります。支払能力が十分あれば申し込む必要もないものですが、三井住友カードではマイ・ペイすリボに申し込むことのメリットが多数存在します。
以下がマイ・ペイすリボの特典となっています。
- 初年度年会費無料
- 年1回以上カードを利用すれば翌年度以降も年会費無料
- リボ払いで支払いと、Vポイントが2倍
年会費については一部半額・割引となるカード、または特典の対象とならないカードがあります。どちらかと言えば年会費半額・割引の方が多いと思います。
Vポイント|200円(税込)ごとに1ポイント(1円相当)
また一部の提携カードや法人カードなどは、Vポイントのポイントボーナスは対象となりません。
1,2.マイ・ペイすリボの特典|年会費無料・半額・割引サービスについて
マイ・ペイすリボの大きな特典としては、登録の上で年に1回以上カードを利用すればカードの年会費が無料または半額になることです。
対象カードは以下のとおりです。
三井住友VISAカード バーチャルカード | 無料 |
ゴールドカード プライムゴールドカード ヤングゴールドカード エグゼクティブカード | 半額 |
一部の提携カード | 割引 |
実際にANAカードを含めて関係してくるのは「一部の提携カードの割引」になるので、そちらの詳細を確認しましょう。
ANA/VISA・マスターカード | 通常 | マイ・ペイすリボ登録後 |
ANA(一般) | 初年度:無料 翌年度:2,000円+税 | 初年度:無料 翌年度:1,025円+税 |
ANA/VISA/Suicaカード ANA/VISA/nimocaカード | 初年度:無料 翌年度:2,000円+税 | 初年度:無料 翌年度:751円+税 |
ANA/TOKYU/PASMOマスターカード | 初年度:無料 翌年度:2,000円+税 | 初年度:無料 翌年度:751円+税 |
ANA(ワイド) | 7,250円+税 | 6,275円+税 |
ANA/SFC | 10,250円+税 | 9,275円+税 |
ANAゴールド(ワイド) | 14,000円+税 | 10,500円+税(-1,000円+税) |
ANA/SFCゴールド | 15,000円+税 | 11,500円+税(-1,000円+税) |
ANA/VISAプラチナ | 80,000円+税 | 通常と同じ |
※他にも割引サービスを受けれる提携カードはあるのですが、ワタシ的にあまりメジャーじゃないので、公式ページでご確認下さい。
※利用代金Web割引明細書サービスの年会費割引(最大1,000円+税)と併用できるのはワイドゴールドカードのみ。
この中でお得なのはやはりANA(SFC)ゴールドカードで、その特典に比して高い値引率を誇っているので人気のカードとなっています。
3.Vポイントが2倍に
上記の年会費割引サービスはマイ・ペイすリボに登録した上でリボ払いの利息を1年に1回は発生させる必要があります。
リボ払いの利息を発生させるのはVプレゼントのポイントを2倍にする特典を受けるためにも必要です。
利用代金の請求月に「リボ払い手数料」の請求がアレば、通常のVポイントに加えて、同じポイント数のボーナスポイントがプレゼントされます。
Vポイントの価値は1ポイント=1円です。200円=1ポイント=1円の価値なので、ポイント還元率は0.5%と言えます。
これは一般的なクレジットカードとしては低い方ですが、マイ・ペイすリボに登録してボーナスポイントを発生させるように利用すれば、Vポイントと同数のボーナスポイントが付与されるので、ポイント還元率も1.0%となり、標準的なクレジットカードのポイント還元率となります。
三井住友カードでお得にポイントを貯めるためには、マイ・ペイすリボへの登録と利息(リボ払い手数料)を発生させる利用方法の活用は必須と言えるでしょう。
ANA/VISAカードでよりマイルを貯める方法
今までは三井住友カードの一般的なマイ・ペイすリボを利用したおトクなポイント獲得ルールを説明してきましたが、ここからは年会費の割引率が高いANAカードに絞って話を進めていきたいと思います。
なぜならANAカードの場合、最終的に貯まったポイントをANAマイルにするのですが、そのマイル還元率が少し変則的だからです。
【ANAクラシック会員の場合】
ANAクラシック会員(ワイド・ANA/VISA/Suica,nimocaなど)の場合は、ANAマイルにするコースが2つあります
通常コース | 1ポイント=1マイル | 手数料無料 |
2倍コース | 1ポイント=2マイル | 手数料6,000円+税 |
VISAのポイントは200円=1ポイントの付与なので、
- 通常コース|0.5%マイル還元率
- 2倍コース|1%マイル還元率
となります。多くのマイルが貯まるクレジットカードで一般的な還元率は1%なので、メインカードとして利用している場合は、手数料を支払って2倍コースにすることが多いです。
対して、ANA/VISAnimocaのように、メインカードではなくサブカードで決算額が少ない場合は通常コースでも十分となります。
【ANAワイドゴールド/VISAプラチナプレミアム会員の場合】
ANAゴールド会員(ワイドゴールド・SFCゴールド)やANA/VISAプラチナプレミアムカード(SFC)の場合は、いずれの場合も移行手数料は不要で以下のような交換率となります。
ANAゴールド =2倍コース | 1ポイント=2マイル | 手数料無料 |
ANAプラチナプレミアム =3倍コース | 1ポイント=3マイル | 手数料無料 |
ANAプラチナプレミアムカードの場合は通常利用でも1ポイント=3マイル、つまりマイル還元率は1.5%となりマイルを貯めるためには優秀なカードとなっています。
しかしネックとなるのは年会費です。1%以上のマイル還元率を得るための代表的なANAカードの年会費は以下のとおりです。※マイ・ペイすリボ適応の年会費割引が大前提
年会費(税抜) | SFC付帯 | |
ANA/VISAワイド | 6,275+6,000円 | 9,275+6,000円 |
ANA/VISAゴールド | 10,500円 | 11,500円 |
ANA/VISAプラチナ | 80,000円 | 80,000円 |
※Web明細サービス申し込みでANA/VISAゴールドだけさらに1,000円割引されます。
比較してみると、ANA/VISAプラチナプレミアムカードの年会費は突き抜けて高く、ANAワイドカードは1%マイル還元率のために手数料をつけるとANA/VISAゴールドカードよりトータルとして年間のコストが高くなってしまうことが分かります。
よってANAマイラーの中では「ANA/VISAゴールドカードこそが最強」と言う結論になっています。
そしてこの年会費割引サービスを適応された中では、同じゴールドカードの中でもJCB/AMEX/Dinersと比較してもANA/VISAゴールドがダントツで年会費が安くなります。
三井住友カードのVポイント→マイルへの移行レートはANAカードだけの優遇となっています。
ANAカード以外の三井住友カード利用で貯まったVポイントは通常ポイントとして、マイルの交換率は「1ポイント=0.6マイル」となります。
※2021年4月より1ポイント=0.5マイルに改悪となります。
マイ・ペイすリボ利用で貯まるボーナスポイントも本来通常ポイントと同じ扱いなのですが、ANAカードで貯めたボーナスポイントは2021年4月以降も1ポイント=0.6マイルのまま、との情報が優勢です。
ANA/VISAゴールド・プラチナプレミアムカードのマイルの貯め方
ココからは年会費やマイル還元率を考慮すると最もお得なANA/VISAゴールドカード、そして最もマイル還元率が高くなるANA/VISAプラチナプレミアムカードを利用したお得なポイント=マイルの貯め方を解説していきます。
前提条件として
- マイ・ペイすリボ申し込み済
が必須です。
さらに重要なポイントは「マイ・ペイすリボ利用で追加付与されるボーナスポイントのマイル還元率は1ポイント=0.6マイル」という点です。
ボーナスポイントはマイルに交換しなければ通常のVポイントと同じ価値なのですが、マイルにすると
- Vポイント|1ポイント=1マイル(または2マイル)
- ボーナスポイント|1ポイント=0.6マイル
とその価値が下がります。
それを考慮した上でのマイル還元率は以下のように積み上がっていきます。
通常利用 | マイ・ペイすリボ利用 | 最大マイル還元率 | |
ANA/VISAゴールド | 100円=1マイル | 100円=1.3マイル | 同左 |
ANA/VISAプラチナ | 100円=1.5マイル | 100円=1.8マイル | 同左 |
マイ・ペイすリボを利用した上でのマイル還元率は以下のようになります。
- ANA/VISAゴールドカード|1.3%マイル還元率
- ANA/VISAプラチナプレミアムカード|1.8%マイル還元率
しかしある方法を利用すれば、マイル還元率をさらに高めることができます。マイ・ペイすリボを利用したマイル還元率アップの方法と、さらに還元率を上積みする方法を解説していきたいと思います。
必要なテクニックは以下のとおりです。
- マイ・ペイすリボを利用したボーナスポイントの獲得
- ポイントサイトを利用したマイル還元率の上昇方法
これらを解説していきたいと思います。
1.マイ・ペイすリボを利用したボーナスポイントの獲得方法
まず大前提であるマイ・ペイすリボを利用したボーナスポイントの獲得方法を解説します。
三井住友カードのリボ払い制度であるマイ・ペイすリボは申し込んで年1回以上のリボ払いの支払いがあれば(2021年2月支払い分より)、(初年度)年会費が無料になったり年会費が半額または割引になったりします。
そしてVポイントを2倍にするためにもリボ払い手数料の請求を発生させなくてはいけません。しかしその金額は発生させればいいだけなので、極端な話1円でもOKです。
ですので、リボ払いの設定金額を超える分だけ増額申請を行い、申請の際に全額を支払うのではなく一部を追加して支払います。
具体的な方法は三井住友カードのマイページである「Vpass」にアクセスした後に以下の通りに行います。
「リボ・分割&キャッシングタブ」の「リボ払い毎月お支払い金額変更申込」を選択します。
次画面で左の「増額を申し込む」を選択します。
次画面で上の「次回お支払い金額にご希望の金額を増量する。」を選択します。
この画面が重要です。ここでリボ払いの手数料を発生させない場合には「すべてを支払う」を選択すればOKです。しかしさらなるボーナスポイントを獲得するためには違います。
この画面で「一部追加して支払う」を選択します。そしてリボ払い手数料を発生させるために少額を残して増額申請を行います。
一部追加して支払う場合は千円単位でしか増額できません。例えば上記のパターンだと追加支払いできる額は165,220円ですが、追加できるのは16万4千円まです。端数の1,220円はリボ払い手数料発生の対象となります。
※220円の残額でもギリギリOKですが数円の差なので余裕を持った設定額にします。
しかし今回はわざと少額をリボ払い手数料発生の対象にするために残して追加支払いをするための手続きなので、これで問題ありません。
複雑な計算は省きますが、リボ払い手数料を発生させるための残金が200円を切るとリボ払い手数料が0円となりボーナスポイントがもらえない可能性があるので、その場合は残金が1,200円となるように設定しましょう(ホントはもう少し少なくても大丈夫ですがそこまで攻める必要はありません)。それでも発生する手数料は10数円です。
この手続きを毎月行うことによって、通常ポイントと同数のボーナスポイントが付与され、そのボーナスポイントを利用して通常より100円=0.3マイル還元率をアップさせることができます。
通常利用 | マイ・ペイすリボ利用 | ここまでの最大還元率 | |
ANA/VISAゴールド | 100円=1マイル | 100円=1.3マイル | 100円=1.3マイル |
ANA/VISAプラチナ | 100円=1.5マイル | 100円=1.8マイル | 100円=1.8マイル |
2.ポイントサイトを利用したマイル還元率の上昇方法
上記のようにマイ・ペイすリボを利用したボーナスポイントの獲得により、100円=0.3マイルになるポイントが入ります。Vpassに貯まったボーナスポイントはVpass内で手数料無料でマイルに交換することができます。
しかし実はいくつかの手間を加えると、ボーナスポイントのマイル還元率が上昇します。それは「ポイントサイトを経由する」ことです。
Vpass内のポイント交換手続きの際、「マイレージ移行」ではなく「他のポイントへ移行」を選択します。
ポイント移行先の中にポイントサイト(ポイント交換サイトの)G-Pointがあるので、それを選択します。
Vポイント(ボーナスポイント)は1ポイント=1Gポイントに交換できます。
>>>Gポイントに登録してない方は、登録無料なのでとりあえずコチラから登録しておきましょう。
この後、実は【みずほルート】と呼ばれるかなり煩雑なルートが必要となります。
【Vポイント(100pt)→Gポイント(100pt)→JRキューポ(100pt)→永久不滅ポイント(20pt)→ANAマイル(70マイル)】
以上のような流れとなり、このルートを利用するためには「JQCARDセゾン」と「みずほマイレージクラブカードANA」という2つのクレジットカードが必要です。
- 通常ポイントのまま|10,000円=50ポイント→30マイル
- みずほルート|10,000円=50ポイント→→→→35マイル
以上のようになり、マイル還元率が0.05%上昇します。
山のようにポイントを貯めている人ならいざしらず、これだけ煩雑なルートを利用して増えるのが0.05%ポッキリなので、素直にVポイントは直接ANAマイルに交換することをワタシはおすすめします。
みずほルートの詳細を確認したい方は、上記すけすけ様のブログをご参照ください(まだリライト前のようですが)。
- ANAVISAゴールド|最大マイル還元率1.35%
- ANAVSAプラチナ|最大マイル還元率1.85%
以上がANAVISAカードで得られる最大のマイル還元率となります。
3.ANA/VISAカードのマイル還元率についての考察
ここまで細々と説明してきましたが、最終的なANAカードのマイル還元率の最大値は以下のようになります。
- ANA/VISAゴールドカード|100円=1.35マイル
- ANA/VISAプラチナカード|100円=1.85マイル
ANA/VISAプラチナプレミアムカードの方がおトクなマイル還元率なのは間違いないですが、年会費が違います。各種割引を加えてANA/VISAゴールドの年会費が約10,000円なのに対して、ANA/VISAプラチナプレミアムカードは80,000円強の年会費が必要です。
ANA/VISAゴールドカードはその年会費のリーズナブルさに対するマイル還元率の高さが素晴らしく、それ故最強のANAカードと言われています。
でも、でもですよ、ワタシはちょっとそれに異議を唱えたいところです。なぜなら毎年のカード継続による継続マイルの獲得を考慮するからです。カード継続で付与されるマイルは以下のとおりです。
- ゴールドカード|2,000マイル
- プレミアムカード|10,000マイル
それらを考慮して、年間300万円決済できるヒトが両者のカードを使ったと仮定すると
ANA/VISAゴールド | ANA/VISAプラチナ | |
300万円決済 | 40,500マイル | 55,500マイル |
カード継続マイル | 2,000マイル | 10,000マイル |
年間獲得マイル | 42,500マイル | 65,500マイル |
獲得マイル差 | 23,000マイル |
両者の年会費の差額は75,000円です。もちろん大金ですし毎年払う度にゾッとする金額ではあるのですが、75,000円で23,000マイルを獲得できると考えるとそれなりにお得だと考えられます。
さらに300万円決済の中にANA航空券の購入が含まれていると
- ゴールドカード|100=2マイル:搭乗ボーナスマイル|25%
- プレミアムカード|100円=3.5マイル:搭乗ボーナスマイル|50%
の差があり、搭乗ボーナスマイルの差も考慮するとANA/VISAゴールドカードとプラチナプレミアムカードの年間獲得マイル数は更に広がっていきます。
ANA/VISAゴールドカードがおトクなマイル獲得ANAカードなのは疑う余地もないのですが、年間利用金額によるボーナスが廃止になった今、意外にゴールドカードとプラチナプレミアムカードとの差が無いということが分かると思います。
まとめ
ANAマイルを貯めるためには最強と言われているANA/VISAカードのマイル還元率を最大に上げるための方法を解説しました。
その手法は三井住友カードのマイ・ペイすリボに登録した上で、毎月少額を残した上での繰り上げ返済が必要です。さらに獲得したボーナスマイルをポイントサイトを3-4個経由してマイル還元率をアップさせることです。
ただボーナスポイントを直接ANAマイルに交換してもポイントサイトを経由して交換しても300万円決済で3,000マイルぐらいしか変わりません。
その程度の違いでしか無いので、マイ・ペイすリボの繰り上げ返済はいずれにせよ利用したほうがお得ですが、特にANA/VISAプラチナプレミアムカードホルダーはいちいち獲得したボーナスポイントをポイントサイトを経由するより、1回ANAの航空チケットを購入して旅に出た方がよっぽど効率的だとは思います。